家庭内でストレスやイライラが溜まる原因のひとつに、栄養不足が関係していることがあります。
『楽しい』『嬉しい』『悲しい』『やる気』『不安』などの感情は、
実は栄養が関係している!?ことをご存じでしたか?
必要な栄養を摂ることは、家族全員のこころとからだの健康を守るためにとても大切です。
また、家族間での感情的なサポートも心の健康には欠かせません。
今回は、
『栄養』と『感情サポート』が家族のメンタルヘルスに与える影響と、
ストレスを軽減するための方法についてまとめました。
栄養がメンタルヘルスに与える影響
脳で作られる「神経伝達物質」。
今までに一度は聞いたことがあるかと思いますが、
私たちの心や体に影響を与えます。
<代表的な神経伝達物質>
- グルタミン酸
- ドーパミン
- ノルアドレナリン
- GABA
- セロトニン
- メラトニン
「栄養」というと、体を作るため・成長させるため・エネルギーにするため 等
とまず一番に考えますが、
これらの神経伝達物質が作られるときにも、沢山の栄養が必要です。
<神経伝達物質を作るために必要な栄養素>
- タンパク質が分解されてできる『アミノ酸』が原材料となる
- ナイアシン、葉酸、ビタミンB6、ビタミンC、カルシウム、鉄、銅、マグネシウム、亜鉛 等
- 作られる過程で『酵素(機能たんぱく質)』も関わっている
食べているものが偏っていたり、ストレスや腸内環境、感染症 等、
さまざまな要因で体に必要な栄養は不足してしまうので、
神経伝達物質がバランスよく分泌され、心の健康を保つためにも、普段の食事で栄養補給を意識していきたいものです。
神経伝達物質が与える影響
先程の代表的な神経伝達物質は大きく『興奮系』『抑制系』に分けられます。
| 興奮系 | グルタミン酸 ドーパミン ノルアドレナリン | 【過剰】イライラ・そわそわ・不安・恐怖・怒り・興奮 【適量】気分が良い・元気・やる気・集中力 【不足】やる気がない・落ち込む |
| 抑制系 | GABA | 【過剰】鎮静・抑制 【適量】リラックス・精神安定 【不足】イライラ・ヒステリー・コミュニケーション障害・感覚過敏 |
神経伝達物質がバランスよく出て、体が上手く利用できると、仕事や勉強だけでなく、家族関係でも様々な場面で役に立ちます。
「神経伝達物質のバランスを整えるための方法」を調べると、様々な方法が提案されていますが、
そもそもの作るための材料となる栄養について、自分の家族の健康のためにもぜひ知ってほしいと思います!
ドーパミン/ノルアドレナリンと栄養
ドーパミンとノルアドレナリンの材料となるのは「アミノ酸のチロシン」。
チロシンを材料として、鉄やビタミンB群を使って作られるのが「ドーパミン」。
ドーパミンから、ビタミンCや銅を使って作られるのが「ノルアドレナリン」です。
<チロシンを含む食材>牛肉、鶏肉、卵、チーズ、アボカド、バナナ、アーモンド等
↓鉄、ビタミンB群等
ドーパミン
↓ビタミンCや銅等
ノルアドレナリン
ドーパミンやノルアドレナリンが適量であれば、「集中力・やる気・楽しさ」といった感じでとても良い影響があります。
子どもや女性の場合や、体内で炎症(花粉症やアレルギーなども含む)が起きていると、
体内で「銅」が多くなる傾向があるといわれています。
すると、ノルアドレナリンが作られすぎてしまって過剰状態「イライラ・そわそわ・不安・恐怖・怒り・興奮」として影響することがあります。
また、「亜鉛不足」の場合も、銅が多くなります。(体内では亜鉛と銅が反対方向に影響し合っているため)
そのため、栄養の観点からは亜鉛を多く含む食材(牡蠣、赤身肉、あさりなど)を意識して摂ることも、神経伝達物質のバランスよい分泌のためのポイントの1つです。
※サプリメントは非常に便利ですが、過剰に摂りすぎてしまうと、銅欠乏による神経症状や貧血を起こすこともありますので、活用する際にはご注意ください。
グルタミン酸/GABAと栄養
グルタミン酸とGABAの材料となるのは「アミノ酸のグルタミン」。
グルタミンを材料として、主にナイアシンを使って作られるのが「グルタミン酸」。
グルタミン酸から、ビタミンB6を使って作られるのが「GABA」です。
<グルタミンを含む食材>肉類、魚類、卵、チーズ、大豆等
↓ナイアシン等
グルタミン酸
(昆布、野菜、チーズなどの発酵食品、味噌、醤油、うま味調味料)
↓ビタミンB6等
GABA
グルタミン酸が適度にGABAに変換されて、それぞれが丁度いい量であれば、
グルタミン酸→学習や記憶(集中力)、GABA→リラックス・精神安定いった感じでとても良い影響があります。
今の社会では、多くの加工食品でうまみ調味料が使われていますが、
加工食品ばかりに偏った食事が続いてしまっていると、
うま味調味料に含まれるグルタミン酸が過剰になりやすく、興奮状態になりやすくなることがあります。
ただし、グルタミン酸からGABAが適度に作られていれば、良いのですが…
グルタミン酸→GABAが作られるときに、酵素(機能たんぱく質)とビタミンB6が不足していると…
GABAが作られずに、グルタミン酸はそのまま過剰状態が続く、つまり興奮しやすい状態となってしまいます。
つまり、当然GABAも作られないので、イライラ、ヒステリー、コミュニケーション障害、感覚過敏といったことが起こってきます。
また、人によっては、低たんぱくやビタミンB6不足がないような普通に食事を摂っていても、
酵素がうまく働いておらず、グルタミン酸が過剰になっている場合もあります。
そういった方は、余分にビタミンB6を摂ることで、興奮状態が落ち着くこともあります。
さらに、興奮系のグルタミン酸について、
低血糖状態でも、脳にグルタミン酸を増やしてしまう状態になるといわれており、
- 低血糖状態をできるだけ解消すること
- 小麦や乳製品はグルタミン酸が多い→パンや麺、乳製品ばかりに偏らないようにする
ということも知っておくことも大切です。
セロトニン/メラトニンと栄養
セロトニンとメラトニンの材料となるのは「アミノ酸のトリプトファン」。
トリプトファンを材料として、鉄とビタミンB群を使って日中に作られるのが「セロトニン」。
セロトニンから、マグネシウムとビタミンB群を使って夜になって作られるのが「メラトニン」です。
<トリプトファンを含む食材>肉類・レバー・魚類・乳製品(チーズ)・大豆・卵・バナナ
↓鉄とビタミンB群 等
セロトニン
↓マグネシウムとビタミンB群
メラトニン
セロトニンは幸せホルモンとも言われます。日中にしっかりと作られると「幸せ、楽しい」という感じで良いのですが、
材料が足りずに不足してしまうと「うつ、ネガティブ、泣く、自身がない」という状態になりやすいです。
また、日中にセロトニンがしっかりと作られることで、
眠りのホルモンと言われるメラトニンが夜に作られていき、深夜にピークを迎え、ぐっすりと眠りにつくことができます。
しかし、材料不足でメラトニンが作られずにいるとなかなか眠ることができません。
セロトニン/メラトニンをしっかり作り、ポジティブさや質の良い睡眠のためにも、
朝ごはんで「タンパク質」、それから「鉄・ビタミンB群・マグネシウム」を不足なく摂ることが大切です。
家庭内での感情的なサポートの重要性
ココロとからだの健康のためにも、
「栄養」が神経伝達物質にとって非常に大切なことは、
ここまでの内容でお伝えしてきました。
「栄養」でココロとからだの土台を整えるのと共に、
お互いに感情的なサポートをすることも大切です。
家族は、心の健康を守り合う役割を担っています。
どうしてもストレスが溜まっているとき、家族が大変な状況にあるときは、次のようなことを意識してみてください。
共感する
相手の気持ちに寄り添い、「大変だね」「よく頑張ったね」といった言葉をかけるだけで、相手の心が軽くなります。
皆誰もが毎日、本当によく頑張っています。
聞き手になる
相手が話そうとしているときは、アドバイスよりも、まずはじっくり聞いてあげる。
自分の気持ちを話せるだけでも、ストレスが和らぎます。
リラックスする時間を作る
食事や寝る前に、家族で静かな時間を過ごすことも大切です。
ストレスがあったり、常に頑張ってしまう状況だと、自分はリラックスしているつもりでも体は常に興奮状態です。
リラックスできる環境をしっかりと作ることが心の安定に繋がります。
家族間のコミュニケーション方法
家族間でストレスを減らすために、
効果的なコミュニケーションを知っていると、相手との関係もまた違ったものになります。
自分の気持ち「Iメッセージ」を伝える
(YOUメッセージ)「どうしていつも帰りが遅いの!?」
↓
(Iメッセージ)「あなたが遅く帰ると不安になる」
というように、自分の気持ちを伝える「Iメッセージ」を使うと、相手が防衛的になりません。
積極的に「聞く」
相手の話をじっくり聞き、理解しようとする。
家族であっても自分と相手の考え方などは違っていることが当たり前で、
お互いのことを理解しようとすることが大切です。これだけで、相手は安心感を得られます。
感謝の気持ちを伝える
「ありがとう」「お疲れさま」と言葉で感謝を伝えることで、家庭内の雰囲気が温かくなります。
まとめ
家族のメンタルヘルスを支えるためには、「バランスの取れた食事」と「感情的なサポート」が大切です。
空腹、栄養不足はストレスの1つでもあります。
さまざまな栄養を意識して摂り、お互いの気持ちに寄り添うこと。その方法を知っていること。
家族全員がより穏やかな毎日を送れるようになります。
日々の栄養・コミュニケーションを大切にし、ストレスを減らして心の健康を守りましょう。


